<小笠原の植物についての講演要旨>
                                                     050115新規
                                                      マルベリー
<資料>
2005-1-13、ビジターセンターにおける
東京大学大学院 総合文化研究所 伊藤元己 助教授の講演よ


=内容=

・特徴
   固有率 43%
   種数  500種  維管束自生種
   ブナ科なし
      
・散布様式
  A 風
  B 鳥 BB BI BM BV
  C 海流

  大洋島は鳥散布多い
     |
  小笠原はほかに比べAがやや多め---偏西風の影響か
  小笠原 種数ではBI BMが多い。

・新旧固有
  旧固有:もともと分布が広かったものが限定されて残っているもの
  新固有:種分化が起こったもの
 
  #小笠原のほとんどは新固有

・適応放散
  共通祖先から分化
  環境に適した性質へ  (数から数十万年とわりと短い)
    |
  島嶼でおきやすい
    (環境収容力に対し種が少ないところ)

  #小笠原ではトベラ属4種 ムラサキシキブ属3種など  
     |
    遺伝的にはわりと近い

・分岐年代    単位:万年
種内分岐 祖先種との分岐
アゼトウナ属
ユズリハワダン−ヘラナレン
コヘラナレン−ほか

5
144
315
トベラ属 16 225
ハイノキ属 51 210

・大洋島でのキク科の木本科   EX.ワダンノキ
  キク科の祖先は木本   (南米の植物)
  |
  適応放散の1方向として木本化がおこる
    (ニッチの空きが多いところ)

  小笠原では
   祖先・多年草−一年草−多年草−小笠原で木本化
                      と進化した  
*木本とは
    地上部に芽が残る
    形成層できて、肥大成長するなど
            
・小笠原で固有種の多いところ
  湿潤林:南硫黄 や母島石門
  
  乾性矮低木林:父島・兄島
       わりと新しい---山が低くなってから成立   コバノトベラやウチダシクロキなど

#小笠原の傾向としては
   南の湿潤な高い山から北の低い山へ変化している

 
                                                         以上
                                     
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