<ヒメフトモモについての講演要旨>
010507新規
Bonin Explorer MULBERRY
<資料>
2001-5-6、小笠原ビジターセンターにおける
東京都立大学大学院 理学研究科 牧野標本館 藤田卓氏の講演より
=内容=
・島嶼での植物の進化の特徴
種分化--祖先種からいくつかの種に分かれる。
木本化--草本が木本へ。
散布能力の低下--海流散布種の実が水に沈むように。
・ヒメフトモモの島名: ルーベルの木(ブルーベリーの意味、実から)、アカテツノオバサン(意味不明)
・フトモモ科 :155種3600種以上。 分類が難しい。
・アデクとヒメフトモモの区別
研究者によって違いが。
藤田氏の分類では、島にあるのはすべて、ヒメフトモモ。
沖縄のアデクとは明らかに違う。
・小笠原のヒメフトモモ(藤田氏の分類)
4群に分類(A・B・D・E) 琉球のアデク(C)−−−日本のフトモモは5群にわけられる。
父島3群(A・D・E) 母島2群(A・B)。 共通群(A)
(A 湿性高木 ・B・D乾性低木 Bは母Dは父 ・E矮低木)
花柱長(めしべ)や樹高・樹形に特徴がある。
この4群に関して、まだ種・変種の違いがあるかははっきりしていない。
・父島3群の比較(A・D・E)
水分の差 A>D>E 棲み分け?
・父島3群の実生での実験比較(A・D・E)
実生の発芽実験(550日):異なった発芽状態 A・Dはやや似ている Eは芽が短く、根が深い。
D種は実生の死亡率高い:実の大きいものが生存率高い。 大A>E>D
環境に適応し、種子の大きさが変化したのでは?
環境厳しい・種大きいA>E>D
島の他種でもやや似た傾向あり。
以上