<移入種グリーンアノールについての講演要旨>
                                                             030220新規
                                                   Bonin Explorer MULBERRY

<資料>
2002-10-25、小笠原ビジターセンターにおける
神奈川県立 生命の星地球博物館 苅部 治紀氏の講演よ


=内容=
・小笠原の昆虫の特徴
 固有昆虫の比率が高い
 甲虫類の固有率高い
 風による固有昆虫は少ない
 毎年飛来しても、定着できないもの多い
 各列島固有昆虫あり: 父島列島 オガサワラアメンボ
                母島列島 オガサワラセセリ  など

・小笠原の現状
 戦前の開拓による環境変化
 返還後の開発
 固有昆虫を目にしない:移入種ばかり

・昆虫類の現状と変遷---- 固有昆虫の減少が父・母島に限定
 チョウ類: オガサワラシジミ--- 父島からは絶滅
        オガサワラセセリ-- 母島列島で現存
 トンボ類: 父島では固有種がいない
        母島でもごくわずかイルイ
 小型甲虫:ごく少ない (夜行性は除く)
 オガサワラゼミ:激減

・昆虫の絶滅理由-----グリーンアノールのせい
 生き残っている昆虫の性質
     夜行性  枯葉に隠れる 大きいもの 毒をもつ  水生昆虫
       |
     グリーンアノールにやられないもの
 
・移入生物
 固有昆虫の脅威:
   グリーンアノール----上記
                米軍時代の持ち込み
                飼育実験では毒をもつアリやテントウムシは食べない
   オオヒキガエル-----地表性の昆虫の捕食
 
・生態系への影響
 受粉昆虫がいなくなった固有植物への影響 
 固有生態系の崩壊の危険性
 
・アノール対策
 有害性の周知
 撲滅
 属島への持込みを防ぐ

・希少昆虫類の保全
 オガサワラシジミ:非常に危険 緊急に対策必要
 固有トンボ: 弟島・兄島は豊富なので安易な立入注意
          トンボ池のようものの必要性
 1997-2001の記録
1997-2001の記録 父島 母島 兄島 弟島
オガサワライトトンボ 渓流沿い
オガサワラアオイトトンボ 止水域 水面に張り出す枝葉に産卵
ハナダカトンボ わずか 早い渓流
オガサワラトンボ 止水域
シマアカネ わずか わずか 沢の源頭部
O:確認  X:記録あるが、確認できず  −:記録なし

 固有甲虫類:兄・弟の保全
         ムニンエノキの保護:オガサワラタマムシの食樹
 固有ハチ:セイヨウミツバチに駆逐されそう

・移入種の怖さ
 予測不能  リセット困難
 
                                                         以上
                                     
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