<嫁島上陸記>
                                                                    010527追加
2001-5-25に、小笠原野生研究会で嫁島の植種を行った。
その作業で嫁島に上陸したときの記録である。
西側の浜から上陸して、丘の上を植種し、また西側の浜に戻った。


〜諸事項〜
使用船舶:興勇丸と上陸用小船
植種樹種:タコノキ・モモタマナ・オガサワラビロウ・タマナ
植種場所:上陸地点より北側の丘上に数箇所。
植種方法:シマチカラシバの株の間に穴を掘り、そこへ種を3−4個まく。
人数:調査やヤギ対策も含め16人
当日の天候・海況:晴れ・凪


〜出発〜
天候は晴れ、海況も凪で、青灯台より8:00に興勇丸に乗って、出発。
視界も良好で出発直後から嫁島が見えていた。
そして、凪で青い海をひたすら眺めながら、2時間半の後、嫁島の西の入り江に到着。
上陸準備をして小船に乗り移り、浜に上陸。
凪とはいえ、浜はやや波があり、みな下半身は海に浸かって上陸となった。

〜上陸〜
11:00ごろに上陸を完了し、すぐに植種地点へ向かう。
西の浜からは一箇所だけ上にあがれるところがあり、それ以外はかなり厳しい崖である。
上に上ると、わずかなタコノキ以外の樹木はほとんどなく、一面、シマチカラシバ・スズメノコビエであった。
一見歩きやすそうに見えるのだが、歩いてみると、ひざ上ぐらいまで埋まり、意外と歩きにくかった。
丘の上すぐのところに、国有林の石杭があった。
丘に登ってからは、北側に向かい、2人一組の数斑に分かれ、それぞれ、植種場所についた。

〜午前の作業〜
植種地点に着いて、僕の班はタコノキの種が担当で、2袋分もらった。1袋あたり500個ぐらい入っている。
11:20ごろから作業開始した。1人が鍬で穴をあけ、もう1人が種を入れる作業を順次続けた。
しかし、暑く、風もあまりなかったので、作業ははかどらなかった。
何とか1袋終えた時点で、1時間ちかくかかった。

〜昼食〜
ちょうど昼を過ぎたので、見晴らしのいい崖付近で弁当にした。
沖ではカツオドリなどがかなり、水面近くを飛び回っていた。
いわゆる鳥山である。餌の魚がたくさんいるのだろう。
西の入り江では、ハシナガイルカが水面に顔を出していた。
時おり、上空をクロアシアホウドリが飛んでいる。下から見ると、羽が黒っぽく、わりと細長い。優雅だ。
実は初めて見た。

〜午後〜
昼食後、すぐに作業に戻った。
はかのグループが先に終わり、手伝ってくれたので、午後は30分ぐらいで終了した。

帰りにはまだ時間もあったので、すこし、散策した。
ほとんどがシマチカラシバ・スズメノコビエ主体の草地であるが、
オオハマボッスがわりとでているところもあり、花を咲かせ、和む光景であった。
また、遠方にはモモタマナの立ち枯れの木が3本ほど見えた。
前回、植栽した、タコノキやモモタマナ・タマナなどもある程度確認できた。
タコノキは苗で植えているので、わりと順調に育っているようだ。

ヤギは昨年ほとんどを駆除し、現時点では2頭いるそうだ。
ヤギ班が追いかけていたが追い込みは失敗したようだ。
ヤギが減ったので、この草地も元気を取り戻し、またヤギ道がずいぶん減っているようだ。
従って、人も歩きにくくなっている。

13:30ごろにはみな浜に戻ってきて、
また小船で興勇丸に乗り移った。暑かったので、何人か泳ぐ人もいた。
僕も泳いだ。いっぺんに気持ちがよく、涼しくなった。


〜帰路〜
14:00ごろ嫁島を出発。父島は最初から見えていた。
行きも、帰りも晴天で、上甲板にいたので、かなり日に焼けてしまった。
帰りも凪で、楽な航海であった。16:30過ぎに到着。

ちなみに今日の作業はボランティアでみんながんばりました。

〜観察した植物〜
シマチカラシバ・スズメノコビエ・イガクサの仲間・ソナレシバ・ハハキメヒシバ・カラクサナズナほか。

                                                         以上

           嫁島写真はこちら  嫁島写真集

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