<アノール侵入における島嶼生態系への影響
についての講演要旨>

                                                             050425新規
                                                   Bonin Explorer MULBERRY

<資料>
2005-2-6、小笠原ビジターセンターにおける
神奈川県立 生命の星地球博物館 苅部 治紀氏の講演よ


=内容=
・小笠原の昆虫の特徴
 約1300種  固有率30%弱
 食材性甲虫類の70%固有   カミキリムシなど
 種分化少ないが過程のものが見られる。
 分布を欠くグループ(ホタル・ハムシ・カワゲラ)があり、アンバランス。
   カミキリムシ・ナハノミ・タマムシナなどは豊富
 甲虫固有率高い

・どこから来たか
 各方面から来ているが、沖縄方面からが多い。

・小笠原の現状
 開拓期
   オガサワラマシコ・オガサワラゴママダラカミキリなど絶滅。

 戦後
   昆虫相は80年代まで戦前と変わらず。

 開発の脅威から移入種の脅威へ
   80年代半ばよりオガサワラシジミ・シマアカネなど激減
                 父島の北部から絶滅
   90年代には母島も同様に
                  兄・向島では以前とかわらず。
   昼l行性・毒なし・中小型・樹上性などのトラカミキリ類・チョウ・トンボ壊滅
     生き残りは夜行・毒・朽木の中で生活・水生昆虫・大型など
   
  原因はグリーンアノール

  グリーンアノール
    60年代にグアムから
      父80年代から激増   母90年代から激増
        |
      父では50-400万匹生息   最低でも1000匹/ha

     セミの捕食    ---セミの激減
     最近 夜行性の種へも影響が。 ミツバチも捕食する。

   結果:かなりの昆虫が壊滅
       危機的:オガサワラシジミ  オガサワラアオイトトンボ(弟のみ)
            オガサワラトンボ(弟・兄) ミイロトラカミキリ 

       父・母では移入昆虫ばかりの昆虫砂漠の様相----生態系への影響

  オオヒキガエル:ゴミムシ類 減
  ノヤギ:植生環境破壊
  アカギ:在来種衰退

・侵略的移入種なぜ脅威か
  生物兵器  個体数増やす 被害が絶滅まで続く

・小笠原は生態系単純で、天敵少ない
  |
 競争力弱い
  |
 移入種で致命的影響受けやすい

・小笠原の未来は?
  属島は小さいがゆえに、環境安定性低い。
  残っているものも絶滅してもおかしくない。

・対策
  移入種持ち込まない----リスク評価システム  法整備
  
  移入種の根絶目指す
    個体数減らすことも
  
  属島は種の保存庫として保全

  固有種の現状把握と保全に向けた取り組み

・なにができるか
  現状把握  リストアップ  保全対策  
  駆除・コントロールの可否  島民の合意形成

・再生への取り組み
  アノール・カエルは特定外来種指定
  弟島トンボ池作り  ウシガエル駆除
  シジミ・ハンミョウの保全調査

補足
   トンボの現状
       オガサワラアオイトトンボ:昨年の水不足で弟島の生息未確認
       アオイトトンボもトンボ池しかいない

   シマアカネ・オガサワライトトンボは遺伝変化少ない
   ハナダカトンボは父・母で大きな変異
                                                         以上
                                     
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