<「平成26年度南島植生回復作業委託」の結果ついて>
                                                                 150610
                                                     マルベリー

                                                                                       2015年5月、野生研機関紙に投稿したものです


トップレポート>26外来植物排除


「平成26年度南島植生回復作業委託(外周部)」の結果について

吉井信秋

  野生研では昨年度、入札により、小笠原支庁より「平成26年度南島植生回復作業委託」を受託しました。事業内容は、作業区分を中央ドリーネ部分と南島外周部のラピエ(尖った岩場)2つに分け、それぞれの外来植物排除(抜き取り)作業です。作業は4月から次年3月の間に25回分、220人区でした。

  僕は現場代理人・指導員として、外周部を担当しました。外周部は4人チームで作業に出かけ、僕のほかに、指導員1人、作業員2人の会員3人との計4人で作業をしました。25回の作業では、南島外周部をおおむね2回ずつ作業できました。

結果は、排除量の合計が1544.6gで、90Lの袋346袋ほどでした。イヌホオズキ787.0kg、ノゲシ293.6kg、シンクリノイガ137.8kg、タバコ127.2kgなどでした。他にはハチジョウイノコヅチ、ハハキメヒシバ、タツノツメガヤ、ムラサキヒゲシバ、なお、運搬作業の軽減のため、花や果実のついていない茎や葉の部分は南島に残置してきました。(仕様で認められています)ですから、実排除量はさらに増えます。

外来種の樹木は14回目、18回目、24回目作業で1本ずつ、計3本見つけました。3本とも小さなトクサバモクマオウです。いずれも根本付近から鋸で切り取り、切り口に除草剤のラウンドアップを塗布しました。

25回の作業では、夏までの前半で1周、夏以降の後半で1周という作業状況です。前半は4-5月に集中的に作業しました。後半は10月以降、月2-3回のペースで作業しました。暑い時期の679月は最低限の作業回数にとどめました。(8月は作業なし)。暑さ対策として、早朝から出発して早目に戻る作業工程にしたことも数回ありました。

5月以降はカツオドリも営巣を始めます。昨年度の作業では、卵を1つ、間違って踏み潰す事故が起きてしまいました。以後、移動に際しては、かなり神経を配り、同じ間違いを起こさないよう、作業員に徹底しました。

おかげさまで、平成26年度も無事、作業を完了することができました。平成27年度も、入札で事業を受託することができ、昨年同様の2班体制で作業に入っています。今年度も事故がないように、無理せず作業していきたいと思います。

なお、根気強く草抜きができて、出港中に時間の取れる方ぜひお手伝いください。作業メンバーに登録させていただきます。事務局までご一報ください。   <完>



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