<「平成24年度南島周辺外来植物排除委託」の結果ついて>
                                                                 130630
                                                     マルベリー

                                                                                       2013年春、野生研機関紙に投稿したものです


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「平成24年度南島周辺外来植物排除」の結果ついて

吉井信秋

野生研では昨年度も引き続き、小笠原支庁より「平成24年度南島周辺外来植物排除委託」事業を受託しました。事業内容は南島外周部のラピエ(尖った岩場)の外来植物排除(抜き取り)作業です。作業は52月の間に作業員4人で25回分でした。(うち5回は追加作業分)一昨年が18回だったので、7回分増えました。僕は現場代理人となり毎回作業に出かけ、ほかに作業員として会員3人との計4人で作業をしました。25回の作業では、南島外周部をちょうど2回ずつ作業できました。

結果は、排除量の合計が2050kg強で、イヌホオズキ670kg弱、タバコ420kg弱、ムラサキヒゲシバ280kg強などでした。他にはシンクリノイガ、ハハキメヒシバ、ノゲシ、タツノツメガヤ、シマイノコヅチ、ウスベニニガナ、コトブキギク、カラクサナズナなども除去しました。

この年度では作業範囲の外周部では外来種の樹木を見つけることはありませんでした。しかし、作業後の移動中、内部の砂浜周辺でシマグワ1本を見つけ、処理をしました。さらに、ジョンビーチすぐ沖合の縦島にも上陸する機会があったので調査したところ、ガジュマル1本、トクサバモクマオウ2本を見つけました。いずれも幼樹で、すぐに処理しました。処理方法はいずれも、根本付近から鋸で切り取り、切り口に除草剤のラウンドアップを塗布しています。

この作業は三大苦として、「暑さ」、「危険」、「運搬の大変さ」があります。いずれもこの作業につきものなので、あまり改善の仕様がないのですが、作業員みなに体調不良・ケガがないよう配慮しました。そうは言いながらも衣服を破いたり、ちょっとしたすり傷はみなできていたようです。

きつい作業の合間には楽しい初めての出会いがありました。20121029日、陰陽池の北部尾根沿いの作業のことです。クサトベラの茂みの端のほうで、大きなものが動いたのです。すごくびっくりしたのですが、よく見るとヤシガニでした。南島では時折確認されているそうですが、僕たちは初めて見ました。野生のものは小笠原に来て初めてです。この日はなんだかとても楽しい気分でした。

平成24年度も無事、作業を完了することができました。平成25年度もこの事業を受託しています。今年度も事故がないように、無理せず作業していきたいと思います。

「暑さ」「危険」「運搬の大変さ」に耐えられる方で、根気強く草抜きができて、出港中に時間の取れる方ぜひお手伝いください。会員かつ都(南島)自然ガイドの方であればありがたいです。

僕か事務局までご一報ください。    <完>

 



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