「平成22年度地域ボランティアによる
在来種植栽地における
植栽木の生育状況調査事業報告書」
について
110712
マルベリー
2011年春、野生研機関紙に投稿したものです
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「平成22年度地域ボランティアによる在来種植栽地における植栽木の生育状況調査事業報告書」
「平成22年度地域ボランティアによる在来種植栽地における植栽木の生育状況調査事業報告書」について 昨年度、野生研では林野庁関東森林局より「平成22年度地域ボランティアによる在来種植栽地における植栽木の生育状況調査事業」の業務を受託しました。これは小笠原諸島の国有林内における植栽木の現況を把握するものです。 調査対象箇所は父島19箇所、母島1箇所でした。父島では長崎、村民の森(天文台奥)、東平、小港、焼場海岸、扇浦など、母島は堺ヶ岳付近です。 調査項目は個体調査(樹種、胸高直径、樹高、GPS位置、図化など)、タグ付け、外来種の抜き取り、データベース作成などがありました。 実際のタグ作り、個体調査、タグ付けは会員数人が交代で実施しました。作業後のデータ取りまとめは安藤紀、上條明弘、僕の3人で作業しました。 全植栽個体は22種の樹木で1772本です。シマホルトノキが850本と半数近くを占めていました。母島の1箇所はハハジマノボタン1種です。そのうち成育が確認されたのは1108本、生存率62.5%でした。樹種別の生存率では海岸に植えたモモタマナ(92%)、タマナ(78.1%)がかなり高く、山地ではシマホルトノキ(66.8%)も平均値を越えていました。 外来植物の侵入状況は樹冠が開いた開放地でホナガソウが目立ちました。またギンンネムやリュウキュウマツの侵入もありました。 この調査ではタグは手作業で作ったため準備にかなり手間がかかったようです。さらにデータの取りまとめも1000以上のデータの集計にはかなり苦労しました。 今後、会員の皆様が調査地付近に行かれることもよくあると思います。道端でステンレス棒にタグのある樹木を見た場合、もともと植栽木でこの調査で確認したものです。やさしく見守ってあげてください。 ・・・・終わり |