<「平成22年度南島周辺外来植物排除委託」の結果ついて>
                                                                 110712
                                                     マルベリー

                                                                                       2011年春、野生研機関紙に投稿したものです


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「平成22年度南島周辺外来種排除」の結果ついて


 昨年度、野生研では小笠原支庁より「平成22年度南島周辺外来種排除」の事業を受託しました。事業内容は南島外回りのラピエ部の外来種植物排除(抜き取り)作業です。作業は9−3月の間に作業員4人で10回相当分でした。僕が現場代理人となり毎回作業に出かけ、ほかに作業員として会員3人との計4人で作業をしました。

 結果は、排除量の合計が約600kgで、タバコ、ハハキメヒシバ、タツノツメガヤ、ムラサキヒゲシバがおもだったところです。タバコは茎や葉まで全部を運び出すとかなりの重量になるので、種と根の部分だけを持ち帰りました。量は少なかったですが他にはシンクリノイガ、イヌホオズキ、オオアレチノギクなども除去しました。
外来種の樹木もわずかですが生えていました。モクマオウ数本、シマグワ1本、ガジュマル1本を見つけました。これらは根本付近から鋸で切り取り、切り口に除草剤のラウンドアップを塗布しました。
10回の作業で南島の周辺全域をおおむね作業したのですが、北側の一部については作業が手薄な状態で終了しました。

 この作業は「暑さ」、「危険」、「運搬の大変さ」との戦いでもありました。
 「暑さ」については11月いっぱいまでの作業はなかなか暑くて大変でした。休憩時間・昼食時間も日陰を探すのが大変でした。
 「危険」は皆さんご存知でしょうけれど、南島のラピエはとても尖っています。特に作業する場所は観光ルートではないので、人が歩かない分、とても尖っています。そこを歩くのでとても気を使います。ラピエに引っかけてズボンやシャツを破く人もいました(僕も数回)。服だけでなく直接肌を傷つけることも心配されます。かすり傷程度は何度かありましたが、幸い大きなケガはなかったです。
 「運搬の大変さ」は「危険」ともからむのですが、作業した場所からサメ池の所まで背中に10kg以上を背負って運ぶのです。ラピエの上を通らないと行けません。バランスをとるのが大変です。島の先端の方の作業だと運ぶだけで30分以上かかる所もあります。海が穏やかだと作業場所に近い所に船をつけてもらうことも可能なときもありましたが、それはわずかでした。作業より運搬のほうが苦労しましたね。

 楽しみもありました。「眺め」「いけない場所」「海岸植物」です。天気がいい日は作業しながらいい眺めを楽しめます。しかも普段観光ではいけない場所です。そして父島ではあまり見られないツルワダン、オガサワラアザミ、ナハカノコソウなどがあちこちで見られました。
 
今年度もこの作業は受託できそうなので、「暑さ」「危険」「運搬の大変さ」に耐えられる方、お手伝いください。昨年度の経験を生かして、少しは作業の大変さが改善できるとは思います。・・・・・・・・・・       終わり



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