<小笠原での生活>
                                                                 110712
                                                     マルベリー

                                                                                       水戸一高の東京同窓会報に2004年投稿したものです。

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南の島・小笠原での生活


 皆さん、小笠原ってご存知ですか。 東京で唯一の亜熱帯の島。最近はイルカ・クジラ、自然保護やエコツーリズムの関係でときどき話題になります。東京都なのですが、竹芝桟橋から約25時間の船旅です。遠い遠い東京です。

 僕が小笠原に移住したのは12年前。30歳直前で、いろいろ考えて、会社勤めをやめた後、リラックスするため訪れたのが小笠原・父島。その後、南の島ゆえ、結局あまり考えないままに、海や山で遊んでいるうちに12年経ってしまいました。
 現在、その遊びが高じて、「マルベリー」というエコツアーや環境教育を提供する事業を営んでいます。主に陸上を対象にしたツアーを開催しています。固有種の多い亜熱帯の森を紹介したり、夜には光るキノコやオオコウモリを紹介したりしています。はた目からすると、外で遊びながら稼げるいい商売です。本当は客商売ゆえの苦労も多いのですが。

 ところで、エコツアーというとまだあまりなじみがないかもしれません。簡単に言うと、自然や歴史などの資源を対象にし、いつまでも使えるように資源への負荷を抑えて、比較的少人数で開催されるガイドツアーです。最近はいろんな地域で、エコツアーが開催されるようになってきています。つい先だって、環境省ではエコツアーモデル13地区の1つとして小笠原を選んでいます。東京都でも小笠原からエコツーリズムを進めていますし、島内でも、以前からエコツーリズム推進委員会が設置され、官・民協力しながらエコツーリズムを進めています。僕もその委員として、微力ながら、エコツーリズムを推進する立場に立っています。
 
 島での生活は、船便だけが頼りの南の島ゆえ、不規則なところがあったり、物価が高かったりしますが、都会にありがちなラッシュアワーや交通渋滞なく、いつもわりとのんびりしています。また犯罪もほとんどないので、車や家の鍵はほとんどかけなくても大丈夫な暮らしです。都会に典型的なストレスは、ここではあまり感じません。きっと過労死の問題もないのではないでしょうか。ストレスを感じても、青い海やきれいな風景や夕日をみるとかなり癒されます。ただ、医療面が不十分なため、出産も出来ませんし、手術もほとんど出来ない状況なので、健康面で不安があると、住みにくい島となります。また、買い物好きな方や都会好きな方にはちょっと耐えられないかもしれませんね。

 皆様も観光や仕事でお越しの際はぜひご一報ください。島でいっぱいやりましょう。





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