<遺伝子からみた小笠原の植物についての講演要旨>
                                                             020421新規
                                                   Bonin Explorer MULBERRY

<資料>
2002-4-1、小笠原ビジターセンターにおける
東京都立大学大学院 理学研究科 牧野標本館 加藤英寿氏の講演よ


=内容=
<キブシ属>   
・キブシ:
  本州のもの;落葉  ナガバキブシ・父島 ハザクラキブシ・母 とも常緑
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  遺伝子を解析
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  ハプロタイプ13種 A〜M
    F;本州全般   A〜Fいろいろ;九州・四国  I;八丈 
    HIJK;関東    父;L  母;M

・伊豆と父母は違う
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  父・母の由来は?
    九州ではないか?
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  仮説;キブシは大陸〜九州〜関東へ広がった 
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      寒冷で南へ ;避難場所で点在化・分化〜九州でタイプが多い理由
      |
      また温暖化で、分布を広げ北上


<フヨウ属>
・違い
モンテンボク オオハマボウ ハマボウ
分布 おがさわら固有 広域・屋久島より南 本州・奄美
生育場所 山地 河口・海岸 浜辺
葉裏の毛 なし・
母島のものは毛があるものも
密生・長い
葉の大きさ

・葉緑体DNA
オオハマボウ 沖縄J・Q 小笠原J・P・Q 婿島A Jは姉島も  Qは東島も
モンテンボク A父・兄 父ADB 母CFH 父・母で別

タイプ
モンテンボク A〜H A弟・兄・父・婿 B父 C母 D父 オオハマボウが祖先では
EFG母 H向・平
ハマボウ I オオハマボウが祖先では
オオハマボウ J〜U 違った形が複数来たのでは

・聟島のオオハマボウ:交雑の可能性
  古い時代の祖先 ;モンテンボクの分化
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  島嶼でさらに分化
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  新しくオオハマボウが移入し、交雑した。


<シロテツ属>
・シロテツの種類
オオバシロテツ 葉大きい Aタイプ
オオバシロテツ 葉小さい Bタイプ シロテツに似る;マルバシロテツ
アツバシロテツ
シロテツ 毛がない

・花期:父・東平 シロテツ4月中  アツバシロテツ 5月初旬
     母島    オオバB 3〜4月  オオバA5〜6月

・遺伝子解析:アロザイム分析
  シロテツは遺伝子多様度が高い
  *大洋島固有平均 0.664   シロテツ0.319  アワダン(ゴシュユ)0.162

・近縁関係 <「オオバB−(オオバA−アツバ)」−シロテツ>−ゴシュユ

・分化の時間
  シロテツ 0.776 127万年
  *トベラ属16万年  イチジク属17万年  ハイノキ属 51万年
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  集団内遺伝子多様度高い 遺伝子分化低い 
  種間内交配可能 交流は低い
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  ビン首効果ではない分化 4種が遺伝的に分化

・学名の変更について
  最近の研究により
  シロテツ属はアワダン属に(2001年ハートリーによる) *東南アジア起源ではないだろうか
  ムニンゴシュユ: ゴシュユ属からアワダン属へ 

                                                         以上
                                     
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